2018/5/11の遍路日記
初めての遍路仲間と出会う
前回からの続き
*~*~*~*~*
おひとりでまわられているんですか?
そうです
彼女は茨城から来たという。
全部回るのかと聞くと、
そのつもりだったけど、
遍路のために事前に訓練をしていたら足を壊してしまい、
なんとか来てみたがやっぱり無理そうだから、
行けるところまで行って帰るのだという。
彼女は徳島にきて数日経つというが、
徳島の人たちの温かさに触れ、
感動したことを話してくれた。
僕もさっき、徳島の人にジュースもらったな
歩き遍路の彼女と歩き遍路の僕は、
もちろん方向も行先も同じなので、
話しながら次のお寺に向かって歩き始めた。
雑談をしながら、お互いの旅のプランなんかも話す。
何気ない話の中でこんな会話になる。
いや~、なにせ貧乏遍路ですから
絶対ウソ、絶対お金持ちでしょ!
いったい彼女は僕のどこを見ていっているのだろうか。
え~、本当貧乏人ですよ! なんかお金持ってそうに見えます?
自分では、遍路一日目にしてすでに野宿者の風格を醸し出していると思っていた。
こんな荷物引きずって歩いて、
なぜお金持ちに見えるのでしょう?
貧乏なのを説得して、、、
というのもおかしな話ですが、
お金持ちとは程遠いのでそんな話をしていると
そうなの? でもあなた絶対成功するわよ
なんて言われ少し驚いた。
その後も彼女は、5番札所「地蔵寺」に着くまで、
あなたは絶対成功する人だといって譲らなかった。
彼女がなにを感じたかはさておいても、
遍路の初日にそんな言葉をかけていただけことがありがたい。
なんだかいい旅になりそうな気がした。
5番札所「地蔵寺」でお別れ
地蔵寺で別々にお勤めを済ませた。
あなた、お経がとってもうまいね!
声がでかいだけでお恥ずかしいです
ところで、よかったら納札交換させてもらえませんか?
納札(おさめふだ)
お遍路さんがお寺に納めたり、お接待を受けたときにお礼に渡すお札。お遍路さんの名刺の役割もある。
最後に納札を交換させてもらった。
今日は5月11日だから、いい日だね
そう言って渡してくれた納札には
「自分を信じて」
納札にはそう書いてあった。
ご縁があったらまた会いましょう。
そう言って別れた。
ー。
きっとこの旅は、
こんな風に出会いと別れを繰り返すことになるのだろう。
なんだか、期待のような、寂しさのような、
不思議な感覚を覚えた。
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