2018/5/16の遍路日記
前回の日記で21番札所太龍寺(たいりゅうじ)を打ち終わりました。今回は22番札所平等寺(びょうどうじ)までの遍路日記です。
太龍寺で知り合ったアベさん。
その歳を聞いたらなんと70を過ぎているという‼
どうみても50代にしか見えません…
しかも、この遍路旅、
基本野宿で、宿も使いながら回るといいます。
恐るべし70代です。
そしてまた歩くペースもものすごく早い。
僕の息が上がりそうになるほど早い。
太龍寺から平等寺へは、
太龍寺の山を下り、
さらに一つ峠を越えていく。
アベさんと歩きながら、
途切れることなく会話が続く。
家族のことや遍路への思いなど、
たくさんのお話を聞き、
僕もたくさんのことを話した。
年齢の差なんて一切感じなかった。
アベさんの金剛杖にはいい音がする鈴がついていた。
僕「アベさん、その鈴いい音しますね」
アベさん「ああこれか、セリアで買ったんだよ」
って、百均かい。
ご利益はなさそうだけど
熊はよけられそうだ。
2時間ほど歩いたところで休憩をとった。
僕「アベさん、あとどれくらいかスマホでちょっと調べてみますね!」
アベさん「僕も調べたいけど、スマホの充電が少なくって…」
僕「ああそれなら、いい方法ありますよ! スマホって電波悪いところだと、電波を探すから電池をたくさん消費するんです。だから使わないときは飛行機モードにしておくといいですよ。(アベさんのスマホを借りる)これをピッとしておくと…完璧です。」
アベさん「おお~、そうなの? ありがとう!」
僕「アベさん、平等寺までここから後5キロくらいあります! 残り時間あと1時間っすよ。どうします??」
アベさん「ん~、どうしようかね~。時間的に結構厳しいかな~…どうする?」
僕「いや~、せっかくここまで頑張ったんですからチャレンジしましょうよ!」
アベさん「そうする~?! じゃあがんばるか~!」
平等寺まで残り5キロほど。
平地であっても1時間でつくのはきつい。
まして、ここまですでに2つの山を越えてきた。
体力的にはかなりきつくなっている。
なのに、
アベさん早いのなんの。
僕「やった! やっと峠超えましたよアベさん!」
アベさん「お~、あの右のほうの森になっているあたりがお寺じゃないか?」
僕「え、あそこっすか⁉ もうすぐじゃないっすか~。」
僕「あと30分、何とか間に合いそうっすね~!」
・・・。
僕「アベさん、ここじゃなかったっすね~!地図よく見ると左側っすお寺!」
アベさん、遠くの農民1に声かける。
アベさん「すみませ~ん! 平等寺はもうすぐですか~⁉」
農民1「お~、あと2キロくらいかの~。あんたらの足ならあと30分も歩けばつくよ~。」
30分!!
ギリギリいける!!
僕「アベさん! なんとか行けそうっすよ!!」
アベさん「お~、ここまで来たら何とか間に合わせたいね~」
僕「行きましょ~」
この頃もうめっちゃ競歩状態。
この6日間で一番体力使った気がする…
僕「ア アベさん!! 間に合いましたよー!! 10分前です!」
僕「いや~、この距離で10分前に到着するって相当ギリギリでしたね~!てかほんとよく間に合いましたよね~」
アベさんも疲労困憊の様子である。
約40日の遍路中、
後にも先にもこの時が一番ギリギリだった気がする。
22番札所平等寺到着 16:48
時間が時間なので、
お勤めの前に納経を済ませる。
納経を終えてから
ゆっくりと境内でお勤めをして回る。
本堂から境内を見下ろした一枚。
手水場の水の中にもみじが浮かべてある。
僕「アベさん、今日はどこに泊まるんですか?」
アベさん「今日は宿をとってあるんだ!」
アベさん「でもおかしいんだよな~、迎えの車が来てくれてるはずなのに、見あたらないんだよ~」
アベさん、今日泊まる予定の宿に電話する。
アベさん「あ~、もしもし、今日泊まる予定になっているアベといいますけれど、お迎えの車が見当たらないのですが?」
アベさん「え、私に電話がつながらないから迎えの車が帰っちゃった?」
…
僕(・・・。飛行機モードのせいか。)
僕「アベさん、それ、僕のせいです(;・∀・)」
こうして無事に6日目が過ぎていった。
と思ったら、
まだまだ一日は終わりませんでした。
この後僕を待っていたのは
庭掃除という1時間の労働でした!!
続く
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