③6日目【飛行機モードは電話つながりません】22番札所平等寺到着

2018/5/16の遍路日記

前回の日記で21番札所太龍寺(たいりゅうじ)を打ち終わりました。今回は22番札所平等寺(びょうどうじ)までの遍路日記です。

太龍寺で知り合ったアベさん。
その歳を聞いたらなんと70を過ぎているという‼
どうみても50代にしか見えません…
しかも、この遍路旅、
基本野宿で、宿も使いながら回るといいます。

恐るべし70代です。

そしてまた歩くペースもものすごく早い。
僕の息が上がりそうになるほど早い。

太龍寺から平等寺へは、
太龍寺の山を下り、
さらに一つ峠を越えていく。

アベさんと歩きながら、
途切れることなく会話が続く。

家族のことや遍路への思いなど、
たくさんのお話を聞き、
僕もたくさんのことを話した。

年齢の差なんて一切感じなかった。

アベさんの金剛杖にはいい音がする鈴がついていた。

僕「アベさん、その鈴いい音しますね」

アベさん「ああこれか、セリアで買ったんだよ」

って、百均かい。

ご利益はなさそうだけど
熊はよけられそうだ。

2時間ほど歩いたところで休憩をとった。

僕「アベさん、あとどれくらいかスマホでちょっと調べてみますね!」

アベさん「僕も調べたいけど、スマホの充電が少なくって…」

僕「ああそれなら、いい方法ありますよ! スマホって電波悪いところだと、電波を探すから電池をたくさん消費するんです。だから使わないときは飛行機モードにしておくといいですよ。(アベさんのスマホを借りる)これをピッとしておくと…完璧です。」

アベさん「おお~、そうなの? ありがとう!」

僕「アベさん、平等寺までここから後5キロくらいあります! 残り時間あと1時間っすよ。どうします??」

アベさん「ん~、どうしようかね~。時間的に結構厳しいかな~…どうする?」

僕「いや~、せっかくここまで頑張ったんですからチャレンジしましょうよ!」

アベさん「そうする~?! じゃあがんばるか~!」

平等寺まで残り5キロほど。
平地であっても1時間でつくのはきつい。

まして、ここまですでに2つの山を越えてきた。
体力的にはかなりきつくなっている。

なのに、
アベさん早いのなんの。

僕「やった! やっと峠超えましたよアベさん!」

アベさん「お~、あの右のほうの森になっているあたりがお寺じゃないか?」

僕「え、あそこっすか⁉ もうすぐじゃないっすか~。」

僕「あと30分、何とか間に合いそうっすね~!」

・・・。

僕「アベさん、ここじゃなかったっすね~!地図よく見ると左側っすお寺!」

アベさん、遠くの農民1に声かける。

アベさん「すみませ~ん! 平等寺はもうすぐですか~⁉」

農民1「お~、あと2キロくらいかの~。あんたらの足ならあと30分も歩けばつくよ~。」

30分!!

ギリギリいける!!

僕「アベさん! なんとか行けそうっすよ!!」

アベさん「お~、ここまで来たら何とか間に合わせたいね~」

僕「行きましょ~」

この頃もうめっちゃ競歩状態。

この6日間で一番体力使った気がする…

僕「ア アベさん!! 間に合いましたよー!! 10分前です!」

僕「いや~、この距離で10分前に到着するって相当ギリギリでしたね~!てかほんとよく間に合いましたよね~」

アベさんも疲労困憊の様子である。

約40日の遍路中、
後にも先にもこの時が一番ギリギリだった気がする。

22番札所平等寺到着 16:48


時間が時間なので、
お勤めの前に納経を済ませる。

納経を終えてから
ゆっくりと境内でお勤めをして回る。

本堂から境内を見下ろした一枚。

手水場の水の中にもみじが浮かべてある。

僕「アベさん、今日はどこに泊まるんですか?」

アベさん「今日は宿をとってあるんだ!」

アベさん「でもおかしいんだよな~、迎えの車が来てくれてるはずなのに、見あたらないんだよ~」

アベさん、今日泊まる予定の宿に電話する。

アベさん「あ~、もしもし、今日泊まる予定になっているアベといいますけれど、お迎えの車が見当たらないのですが?」

アベさん「え、私に電話がつながらないから迎えの車が帰っちゃった?」

僕(・・・。飛行機モードのせいか。)

僕「アベさん、それ、僕のせいです(;・∀・)」

こうして無事に6日目が過ぎていった。

と思ったら、
まだまだ一日は終わりませんでした。

この後僕を待っていたのは
庭掃除という1時間の労働でした!!

続く

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