2018/5/13の遍路日記
焼山寺のあとのプランにご注意!
1200キロの遍路道の中で、
最難所の一つといわれる焼山寺。
この土砂降りの中、
川みたいな山道を登りながら
到着したんだ。
なんかもう遍路なんて余裕な気がした。
ー。
1200キロ中、約40キロしか終わってないけど。
40日前後の旅のうち、約2日しか終わってないけど。
ネットや本など、あらゆるところで、
焼山寺は大変だ!
って書いてあったから、
焼山寺を登り切ればなんとかなるだろう。
そう思って、この後のプランは考えていない。
「すだち館」がいっぱいだったため、
とりあえず飛び込みでどこか別の宿を探そう。
地図を見ると、すだち館の周りには、
別の旅館もいくつかみられる。
その辺に行ってみよう!
その辺までは焼山寺からだいたい1時間ほど。
今度は下りの山道。
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焼山寺から20分くらい下ると、
前から、コンビニで売っているようなカッパを来た女性が向かってくる。
そっちからくるのは、、、なんだっけ?
女性に一言声をかける。
どうやら中国人?
20代後半の眼鏡をかけたかわいらしい女性だ。
ちょっと立ち話をする。
(略)
女性「焼山寺へはまだ遠い?」
ぼく「もうちょっと!登りだとあと30分くらいかな!頑張って!」
そんな会話を英語でかわす。
女性は握っていた手を開いて僕のほうに差し出す。
女性「これどうぞ。」
ぼく「えっ、」
女性は手に持っていた何粒かのブドウを僕のほうに差し出す。
ぼく「え、ありがとう。」
そういって一粒もらおうとすると、
女性「全部あげる!」
手の中のブドウを全部くれた。
この雨の中、
遍路の道中、
山の中で出会った、
中国人の女性に、
手に握りしめていたブドウをもらうという、
文字にするとなんともシュールな、
(実際に遭遇するともっとシュール)
出来事。
お気持ちはありがたい。
でも、知らない人が手に握りしめていた
ブドウ、食べれる~?
雨水とかもめっちゃかかってんで~?
ね~、
でもまあ、ありがたく美味しく全部いただきました。
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道中見つけた川
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すだち館を通り過ぎると…
焼山寺からすだち館は3.4キロ。
下りということもあって、
1時間弱で着いた。
その辺で、前を歩いていた外人ペアと一人の日本人に追いつく。
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手前の日本人は、すだち館にお泊りのご様子。
すだち館から優しそうなおばちゃんがその日本人に声をかける。
おばちゃんは、通りすぎるぼくになにか言いたそうな、
心配そうな顔をしてこっちを見てくる。
なんだろう、さっき電話して来た人かな?
って思ったのかな?
まあ、どのみちぼくには用がないので先を急ぐ。
すだち館から数百メートル進む。
前を歩いていた外人ペアが、
地図を広げて困った様子。
声を掛けた。
どこか旅館を探しているらしい。
どうやら「すだち館」を探しているらしい!!
自分たちさっき通り過ぎたよ!
って教えてあげた。
ぼくは先を急ぐ。
地図だと、すだち館を過ぎたあたりに
宿があったはずだけど、、、
見当たらない…
まあ、とりあえず次のお寺方向に進んでいけば、
すぐ街に出るだろう。
と思って、歩き続けていると、
なぜかまた山の中を登っていくことに。。。
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焼山寺の後にまた一つ山を越える
焼山寺を超えたと思ったのに、
また山を登っていく…
どしゃぶりの焼山寺で体力を使い果たし、
気分的にも終わったつもりでいたこれから、
また山道を登るのは本当にきつい。
しかも、この天候で木の生い茂る山の中。
3時過ぎなのにズンズン暗くなる。
あっ!!!!
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沢ガニいた~!
これ茹でたら赤くなる奴だ~。
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いやいや、本当にそんなこと言っている場合じゃない。
この山道がどこまで続くのか見当もつかない。
そうか、すだち館のおばちゃんが心配そうな目でこっちを見ていたのは、
「あんた、この先行っちゃうと何もないけど大丈夫?」
的な意味だったんだ。
後のたよりは看板だけ
焼山寺を過ぎたあたりから、
電柱とかにくくりつけられている
「植村旅館まで○○キロ」という看板。
やっているかどうかもわからないけど、
とにかくそれを頼りに進むしかない。
だけど、植村旅館、
焼山寺から10キロって書いてあったんだよな…
地図を見るだけだと、
どこまでが山道なのか見当がつかない。
もう全部山の中のように見える…
次のお寺までは焼山寺から20キロある。
さすがにそこまではいけない。
もう、今晩は山の中で泊まるしかない。
このびしょぬれの状態で、
雨の中、山中にテント泊は結構きついぞ。
しかも、テントを平らに張れそうな場所も見当たらない。
まあ、もうしょうがない。
こうなったら覚悟を決めるしかない。
そうなったら、
絶対沢ガニ捕まえてゆでて食ってやるからな。
だけど、もうちょっと歩こう。
まだいける。
日没までの時間いっぱい、
歩いてみよう。
そう思って歩き続けた。
ん??
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んん??
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おお!! 街が見えた!
そして、山の中を超えた瞬間!
といってもいいほどのタイミングで、
雨が上がった。
道も山道から一転、
車道へ変わった。
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助かった~!
街中まで出てくれば、
夜でも歩ける!
―――
こうしてブログを書いている今知ったけど、
ここの神山遍路小屋は、焼山寺から6.8キロ。
通常なら2時間弱でこれる距離だけど、
悪天のためそうとう時間がかかった。
この小屋に泊まることも考えたけど、
近くにトイレがなかったため断念した。
※故障中と書いてあった
―――
少し気も楽になりつつ、
相変わらず見かける「植村旅館」の小さな看板をたどりながら先を進む。
もうね、焼山寺からその看板だすのやめてくれる?…
遠すぎるわ。
植村旅館に到着するも…
雨が上がったおかげか、多少、空も明るさを取り戻す。
車道を歩くこと1時間くらいだろうか。
18時ころに植松旅館のある村…?
にたどり着いた。
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神山町という川沿いの小さな町だ。
この町…
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![](https://meisou-labo.com/wp-content/uploads/2018/11/IMG_6810-500x375.jpg)
人の気配が全くしない。
それなのに、人形の数が異常…
なんだか、人間がすべて人形に変わってしまったかのようだ…
ちょっと恐ろしさを感じつつ、
植村旅館を目指す。
旅館はもうそこのハズ!!
やった!
やっと到着!!
ー。
あれ、
全く人の気配がしない。
玄関も締まってる。
これはもしかして…
やってないのか…
あわてて電話するも一向に応答しない。
しまった。やってない。
そうだ、こんな田舎の町なんだから、
飛び込みで客が来るほうがおかしい。
予約客が入っていなければあけないのだろう。
遍路3日目、四国のそういう事情を
まだ理解していなかった…
時間は夕方の6時。
地図を広げてどこか宿がありそうな場所を探す。
あった!
「神山温泉」という地区に宿がいくつかある!
だけど、ここからさらに10キロ…
今の体力なら3時間近くかかるだろう…
このコンディションでどこか野宿できる場所を探すか、
あと3時間かけてでも快適な宿に泊まるか…
とにかく、やってるかどうか先に電話してみよう!
電話をかけるとおじいちゃんぽい人が出た。
今日はやっているという。
料金は1万円くらいだった。
電話口で悩む。
ん~、
どうしよう…
続く
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