⑤3日目【焼山寺、本当の終わり】12番札所焼山寺~親切な植村旅館

2018/5/13の遍路日記

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焼山寺、本当の終わり

「ん~、どうしよう…」

神山温泉地区の宿に電話を掛けながら、
今からあと10キロ歩くか、
このずぶ濡れのままどこか野宿ができる場所を探すか

悩んでいた…

その時、
植松旅館のお隣のお家に一台の車が帰ってきた。

車から女性が降りたのが見えた。
女性はこちらに向かってくる。

女性
「どうかされました?」

電話中の僕は、
耳からスマホを離し、
その女性に、簡単に事情を説明する。

女性はここの旅館の方だという。
ぼくは電話口のおじいちゃんに、

「すみません、ちょっと考えてまた掛けなおします」

そういって電話を切った。

ぼく
「看板を追いかけてここまで来たんですが、今日はお休みなんですね。ここの辺でどこかほかの宿とかありませんか? 最悪は野宿できるような場所でもいいです。」

女性
「野宿だったら、あそこの倉庫みたいな場所の屋根の下とかで寝ても大丈夫だと思います。でも、夕食とか準備してないから、あんまり大したもの出せないけど、それでも良ければお部屋あけますよ?」

え えーーっ!!

天使だ~。

いや、仏教だから、
弁財天か吉祥天か鬼子母神かなんかか~。

女性は、旅館の玄関を開けてくれて、
部屋を準備してくるからといって奥へ消えていった。

た 助かった…

玄関に入り、用意してくれたシートの上に、
ビショビショになったカッパやリュックをおろす。

廊下を濡らさないように、
最低限身づくろいをして待っていると、
お部屋の準備ができたと女性が戻ってきた。

植村旅館は、一戸建てを改装して作ったような宿で、
お部屋もとてもアットホーム。

改装してそれほど時間がたっていないのか、
小さいけどとても清潔感のあふれる宿。

お風呂も一般的なお家にあるようなお風呂だけど、

とてもきれい。

お部屋からの景色。

お部屋のある建物と、
旅館の玄関のある建物は隣同士、
別々でした。

荷物の置いてあるところが玄関。奥の建物がお部屋。

準備してないから夕食はたいしたもの出せない、
っていっていたのに、
立派な夕食を作ってくれました。

本当に助かった。
夕食が沢ガニじゃなくてよかったよぉ。

親切にしてくれた植村旅館のお姉さんには
本当に感謝しています。

あちこちカラダが痛い

リュックを背負っている肩は擦れて赤くなってるし、
リュックを腰で止めるバンドのせいで、
骨盤のところも擦れて赤くなってる。

そして、昨日おとといの晴天のせいで、
日焼けが。

心配だった焼山寺も無事に終了。
ここで諦めて帰ってしまうお遍路さんも多いようですが、
何とか続けられそうです。

後記

植村旅館へは、
焼山寺からかなりの距離があります。

だけど、すだち館の後の最初の宿なので、
行けない距離ではないです。

ゆとりのある遍路の計画を立てている方なら、
焼山寺の宿坊か、すだち館あたりの宿を予約して
一泊するほうが楽です。

ただ、歩き遍路を40日以内で回ろうと思うなら、
植村旅館まで進んでしまい、
ここで距離を稼いでおくのも手だと思います。

ぼくの時は、天候がひどかったため、
苦労しましたが、天候が良ければ、
もう少し快適に歩けたと思います。

遍路に費やせる日数が限られているという方は、
11番札所藤井寺から植村旅館までの行程を
考えられてもいいと思います。

ただ、ぼくのように途方にくれないためにも
しっかりご予約を。

【植村旅館】

〒771-3202 徳島県名西郡神山町阿野本名12−1
電話:088-678-0859

焼山寺~玉ヶ峠ルート経由

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