①4日目【死には似つかわしくない晴天の日】植村旅館~13番札所大日寺

2018/5/14の遍路日記

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死には似つかわしくない晴天の日

一夜明けた植村旅館

今朝のニュースで昨日の大雨についてやっていた。
大阪で5月としては観測史上初の大雨だったそうだ。

四国もそれなりに降ったのだろう。
なんかすげー降ってるとおもったもんな。

旅館のおねえさんが朝ごはんもしっかり用意してくれた。

最高すぎる…

今日は晴れるようだ。
身支度をして早々に出発する。

そうそう、これは遍路修行だ。

長居はできぬ。
宿代の支払いと
一晩の宿のお礼をいい出発を告げる。

気をつけて頑張ってください、

そういって見送ってくれた。

さあ、出発。

今日は暑くなりそうだな。

そんなことを考えながら

川沿いの道を歩く。

あ、杖忘れた。

200mほど進んだところであわてて戻る。

おねえさんに再会。
笑って再度お別れ。

お騒がせしました。

さてさて、次のお寺に向かいましょ。

13番札所大日寺(だいにちじ)までは
植村旅館からおよそ10キロ。

4キロ1時間計算で、
だいたい1時間半くらいで着くかな。
※荷物引っ張てるからちょっと遅い。

ここからの遍路道は、
車と同じ経路。
ガードレール沿いを歩く。
歩行者専用の路肩は特にない。

ところどころ水たまりになっている。
昨日の雨の激しさをあらためて感じる。

「はっっ!」

前方の水たまりの中で、
目を見開いて横たわっている黒猫を見つけた。

車にはねられたのだろうか。
外傷は見当たらないが、

もう死んでいる。

それだけはわかった。

見たところ死んでからそう経っていない。
一瞬、うちで飼っている黒猫と重なる。

水たまりの中で目を見開き横たわる黒猫の死体は、
「死」というものをまじまじと感じさせるものだった。
遍路は、「死」のことを深く考えさせる。

ー。

死体が車道の隅であったこともあり、
手を合わせて通り過ぎる。

後になって、なぜお経をあげなかったのか
とても後悔した。

遍路たるもの、生きとし生けるものの幸せを願い、
死に思いをはせることでその生を尊ばなければいけない。

ー。

こんな晴天の日。
水たまりの中で横たわる黒猫の死体は、
とても悲しく思えた。

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