4000m極寒の冬山!裸同然で生きるツンモ修行者!体内に火を起こす

以前、夏の富士山頂で凍え死にそうな思いをしたことがあります。

始めて富士山に
ご来光を見に登った時のことです。
まだ山登りの知識もない頃だったので、
夏の富士山の山頂が
あんなに寒いとは思いませんでした。

標高が3000mを超えると、
気温は低いし、
風は強いし。

風速が1m強くなると
体感気温は1度下がるといいます。

その時の体感温度は
-10度以下だったと思います。

岩に身を寄せて、
あと数時間先の、
日の出を、
震えながら待っていたのを
覚えています。

富士山は標高3776m。
これだけ標高が高いと
夏でも死にかけるくらい
ものすごく寒いのですが、

平均標高4000mの氷の雪山で、
裸同然で生きている人がいるといいます。

目次

凍った川の上で一晩瞑想するツンモ修行者

普通だったら、
間違いなく凍死してしまう
過酷な寒さの中で、
どうして裸同然で過ごすことができるのでしょうか?

それは、「ツンモ」という
体内に火を起こす瞑想法の実践によって可能になります。

ツンモとは呼吸法と観想によって、
体内外に熱を起こすことが
できると言われる修業法です。

この修行法を極めると
雪や氷の中の世界でも
身体を暖め
生き続けることができると
言われています。

にわかには信じがたいことですが、
実際にチベットの雪深い山奥で、
布切れ一枚程度を身にまとい
生活している人がいることは
研究者によって観察されています。

ツンモの実践法の概要

このツンモの訓練を受けるためには、
あらゆる呼吸法に通じていることと、
頭で思い描いたイメージが
完全に現実のものと思えるほど
深いトランス状態に入れる
精神集中が必要だと言います。

チベットの密教行者と言えども、
ツンモを実践できる人は数少ないようです。

ツンモの秘伝を受けるためには
長い修行期間が必要になります。

そして、秘伝を受けると、
ツンモ修行に入りますが、
ツンモ修行にも段階があります。

まずは、
川で沐浴をして、
そのまま体をいっさい拭かず、
服も身につけずに、
標高3000m以上の高地で
一晩中瞑想させられます。

ツンモの行法に入ったら、
暖を取るために火に近づいたり、
暖かい洋服を着ることも許されません。

初心者のうちは、
藁の上に座ってもいいようですが、
熟達した行者は、
凍った川や池の上で瞑想すると言います。

また修業開始前には
飲み物を飲んではいけないといいます。

瞑想の姿勢を組み、
手の親指、人差し指、小指を伸ばし、
中指と薬指は手のひらの下側に向けて曲げて、
膝の上に置いておきます。

息を吐くとき、
怒り、憎しみ、虚栄、欲、怠惰
などの悪いものが
一緒に吐き出されるのをイメージし、
息を吸うとき、
聖人からの祝福や
お釈迦様の教えの精神など、
善なるものを吸い込むとイメージします。

やがて気が安定したら、
ヘソのあたりに
金色に輝く蓮華を思い描きます。
そこにいくつかの文字「ラーム」と「マー」(日本風に言えば梵字)を思い描き、
それが神仏に変わると観想します。

やがて自分が神仏と一体化したと感じたら
ヘソに「アー」の字を観想し、
頭頂部に「ハー」の文字を観想します。

やがて、「アー」の文字に小さな火がともり、
呼吸がふいごの役割をして、
息を吸い込むごとに、
その日が燃え上がっていくと観想します。

深く息を吸ったら
息を止めます。
この止息の時間を
どんどん長くしていくといいます。

そしてこの火が、
霊的エネルギーの経路を通り、
上昇し、体全体に巡ることをイメージしていきます。
そしてだんだんとその経路が太く大きくなっていき、
燃え盛る火が全世界を飲み込み、
自分自身がその火と一体化していくと感じていきます。

そして、やがて、
その炎が収縮して体内に収まり、
自己の存在を無と感じていきます。

-。

このような修行を積み、
熟達すると、行をしていない時でも
身体に熱を発生させることができるようになり、
気候が寒くなると勝手に熱を発するようになるのだと言います。

ツンモ修行の過酷な試験

この修行法をしっかりマスターできているかの試験は過酷です。

真冬の夜、特に強風が吹き荒れる日が選ばれ、
凍った川の上に連れて行かれます。

そして裸のまま足を組み、
瞑想を始めます。

その上から氷水に濡らした布をかけられて、
それを体温で乾かせと言われます。
乾けばすぐに、
布はまた氷水につけられて、
何度も何度も修行者の体に巻きつけられます。

そして、一晩で何枚布を乾かすことができるかを試験させられます。

中には一晩で40枚も乾かした修行者もいると言います。

逸話のような話ですが、
実際にその現場を見た西洋の研究者もいます。
それが、今回この記事を書くにあたり参考にしている
本の著者です。(最後に参考文献を上げておきます)

科学では理解できない人間の神秘的な力

ある修行者はエベレスト近くの雪に閉ざされた洞窟の中で、
ツンモに頼り翌年の春までほぼ裸の状態で生き続けていたと言います。

実際、チベットの真冬に、
裸同然の格好で生活している修行者は
エベレスト探検隊にも目撃されていると言います。

生理学的な常識では考えの及ばない
人間の神秘的な力がそこにはあります。

瞑想は科学ではまだまだ解明しきれない、
人間の持つ特殊な能力開花させる手段と
言えるのではないでしょうか。

後記~私たちにもできる?神秘的な力を手に入れるために

さて、このような超人的なことが
私たちも瞑想修業によってできるようになるのでしょうか。

答えは「YES」です。

チベットの雪山で私たちが
裸同然で生きる力は手に入れられないかもしれませんが、
身体をコントロールして
体温を上昇させたり、
感覚を遮断していくことは
比較的簡単にできます。

そして、私たちにとってはそれだけで十分です。

なぜなら、チベットの僧侶にとっては
どこまでも自分を磨いていくことが目的ですが、
私たちにとっては、
社会生活の中でうまく生きて
幸せな人生を送っていくことが目的なのですから
平均4000mという高山の雪の中で
生きられるほどの技法はオーバースペックと言えます。

また、ツンモと言えども
個々の行法は特別なことではなく
一つ一つの技法を
習熟するまで行っているだけに過ぎません。

ですので、
ツンモの技法の少しのエッセンスを取り出し
体感していけば、それだけでも
素晴らしい瞑想の恩恵が受けられるはずです。

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